ローベルト・シューマン 管弦楽・室内楽4手ピアノ編曲集 Vol. 3 (nur Japanisch)
エッカレ・ピアノデュオによるシューマン管弦楽・室内楽4手ピアノ編曲シリーズの第3弾。音楽学者ヨアヒム・ドラーハイムが監修し、シューマン自身か彼の監督下で作られたピアノ連弾編曲版の演奏である。今回はいよいよ交響曲第3番《ライン》が入った。連弾版ではオーケストラでは聞き逃しがちな内声やバスがくっきりと浮かび上がる。第1楽章冒頭の堂々たる第1主題や柔らかい抒情を湛えた第2主題の造形も素晴らしい。第3楽章の豊かなポリフォニーの線も手に取るようにわかる。曲の圧倒的な存在感を実感できる見事な演奏だ。《マンフレッド》序曲のスピード感、《ファウストの情景》序曲の堅固な構成を感じさせる構築、《ヘルマンとドロテア》序曲のフランス国家の用法など、いい出来だ。