“Walzer” エッカレ・ピアノデュオ デビューCD (only Japanese)
エッカレ・ピアノデュオはフォルカーと真理子のエッカレ夫妻のデュオで、カールスルーエを拠点にドイツ中心に活躍し、日本でもリサイタルを開いている。このワルツ集はナクソス(ドイツ・ローカル)からのデビュー盤。注目は世界初録音のドヴォルザークの《8つのワルツ》。これまで2手版はリリースされているが4手版は初めてという。そこここに短調の陰りを帯びたドヴォルザーク特有の旋律を繊細に優雅に歌い上げる。スラヴ舞曲風のテンポ変化や分厚い和音での馬力も充分だ。リームのワルツは大半が1分前後の掌編小説のような曲集。19曲はウィンナ・ワルツ風、タンゴ風、ラヴェル風、シューマン風と変化に富んでいる。エッカレデュオは時にけだるく、時に思い切り粗野に、時にユーモアを交えて見事に弾き分ける。レーガーのワルツでの旋律の表情豊かな歌い回しも印象的だ。カルク=エーレルトのワルツは珍しい。抒情的で洒落た旋律やカプリッチョ的な気分転換が楽しめる。