ローベルト・シューマン Vol. 2


エッカレ・ピアノデュオによるシューマンの4手用編曲による管弦楽・室内楽シリーズ第2弾。3曲とも世界初録音で貴重だ。弦楽四重奏曲のドレーゼルの編曲は質が高く、シューマンも気に入っていたようだ。出版に際しシューマン自身の校訂が加えられた。第1番の演奏は美しい仕上がり。声部書法の横の線は聴き取りにくいが、シューマンの書いた美しい和声変化は良く聴き取れる。冒頭楽章は対位法的な楽句が際立っていて、その処理は巧い。スケルツォは快適でリズムのノリが良い。緩徐楽章の内声の動きや終楽章の躍動感も素晴らしい。第2番の緩徐楽章の変奏の多彩さも存分に楽しめる。《練習曲》はペダルピアノという珍しい楽器のために書かれ、現代では4手編曲が好適だ。カノンの豊かな響きが魅力的。